人気番組の「フリースタイルダンジョン」でラスボスとして君臨しているラッパー、R指定。ご存知の人も多いですが、代名詞でもあるフリースタイルラップ(即興で韻を踏んでラップしていくこと)は、彼を一気にスターダムにのし上げましたよね…!
ラップバトルを見てきたヘッズにとってはおなじみのR指定ですが、最近はクリーピーナッツとしてメジャーシーンでも活躍しています。ヒップホップドリームを地でいく姿に刺激をもらいます。
これからさらなる活躍が期待されるR指定ですが、この記事ではあらためて、R指定のフリースタイルダンジョンにおける「パンチライン」を紹介させてください。今後のフリースタイルダンジョンを楽しむためにも、ヘッズ歴10年を超える目線からお伝えします。
R指定のラップが地上波で見れるのは本当にすごい時代なので(笑)それでは早速いきましょうー!
R指定のフリースタイルダンジョン:チコカリート戦
まず外せないのがチコカリートとの試合でしょう!2015年11月4日に放送された「REC2-2」の回です。
実はチコカリートは現在、ラップバトルを引退して音源製作にチカラを注いでおります。それでも当時の彼はキレキレで、飛ぶ鳥をおとす勢いでラップバトルで名を上げていたんですよね…!
その証拠にチコカリートは、この年の年末に開催された「アルティメットMCバトル(UMB)2015」の王座に輝いています。実はR指定もこのUMBを三連覇していて、KREVAの再来か?とも言われていました。
そんな勢いのあるチコカリートと、現代の絶対的キングであるR指定の対決にテレビの前でめちゃめちゃ興奮していたことを覚えています(笑)私は「こんな戦いが地上波で見れるなんてマジかよ…!」と驚きを隠せませんでしたし、スポンサーであるサイバーエージェントの藤田社長にひたすらに感謝しました。
試合はどうなったかといえばR指定が最高に調子が良く、ぶっちゃけ圧勝でしたね…!
ただひたすらに見ごたえのある試合だったのは間違いなくて、例えばチコカリートの最初のバースはヘッズにはたまりませんでした。「決める最強のロン毛とロン毛/それができないなら本でも読んで」というラインは、R指定の前のフリースタイルキング晋平太の曲中で使われているリリックなんですよね。
ヒップホップには過去の作品にリスペクトをこめて引用する「サンプリング」という文化があります。R指定戦の最初のバースでそれを使ってくるチコカリートに勢いを見たし、これはあるぞ…!と対戦を盛り上げたのはマチガイありません。
ただ、R指定はやはり強く、ほぼすべてがパンチラインだったと言えます。個人的に一番アガッったラインはここですね↓
俺ならマイクロフォンの末期症状でも気付けば後ろにチャンピオンロード
赤字の部分は全てライミングしていて、自分がチャンピオンであることを見事に証明していますよね。そこからトラブルと虎舞竜をかけてロードの話にはいっていくのも見事すぎて泣きそうでした…!
相手のチコカリートも「やられた~」という表情をしており、R指定のフリースタイルラップのヤバさが改めて証明された試合だったと思います。
R指定のフリースタイルダンジョン:CIMA戦
次に個人的におすすめするのは、2016年4月6日に放送されたCIMA戦です。
R指定は大阪の出身ということもあり、兵庫出身で大阪で活動するCIMAは先輩にあたります。一般社会なら先輩にたいしてかみつくことは恐れてしまいそうですが、ラップの世界では「スタイルウォーズ」という考え方があるので関係ありません。
とはいえヒップホップの空気をまといまくって見た目もちょっと怖いCIMAに対し、ああもガンガンにラップするR指定が気持ちよくうつりました…!
その背景には、大阪で活動するなかでERONEやHIDADDY(ともに韻踏合組合)にもまれてきた自信があるんでしょうね。いつかのラップバトルでR指定が「俺もHIDADDYやERONEにもまれて」とラップしていたこともあるので、そうなんでしょう。
ちなみに個人的にはCIMAも好きなラッパーです。ヒップホップとしての哲学をしっかり体現していて、ブレないスタイルがかっこいいですよね。熱さが前面に出るタイプでもありますが、実は会場に伝わりやすい分かりやすい言葉でライミングするテクニカルさも併せ持っています。
結果としてはR指定の勝利に終わったこの試合ですが、個人的パンチラインはこれです↓
レペゼンってのはな地元に留まって東京の悪口を言うことじゃねぇ
なんか単純に「口喧嘩つよ…」と思ったんですよね(笑)
というのもヒップホップには地元を大事にする文化があって、「レペゼンする」と表現するんですね。英語の『represent(リプレゼント)』から派生したスラングのようなものです。
特にCIMAはヒップホップ偏差値が高いので、「レペゼンもできないの」という点で東京に拠点をうつしたR指定を攻めてくるのが予想できました。そこを開始すぐのバースで事前に対処するリリックでしたし、R指定の試合巧者ぶりがみえたパンチラインだったと思います!
R指定のフリースタイルダンジョン:呂布カルマ戦
2017年の4月19日の放送ではまさに最強の刺客、呂布カルマがフリースタイルダンジョンにやってきました。この進撃を止めたのもR指定で、これは今も語り継がれる名勝負ですよね…!
ちなみに最近の呂布カルマはより強さが増していて、フリースタイルラップのシーンで確実にトップに君臨しています。研ぎ澄まされている感じですね。
ただ個人的にはこの放送があったあたりが、呂布カルマがもっともギラついていたと思うのです。放送当時もキレキレで、出演前から「呂布カルマはいつやってくるんだ?」という声が上がっており、待ちきれないヘッズも多くいましたよね。
実際にフリースタイルダンジョンにやってきて、あっという間に3人のモンスターを撃破します。このまま止まらないのでは?と毎週の放送を食い入るように見ていたことを思い出します。が、R指定がバシッと呂布カルマを倒すんですよね…!
その際の個人的なパンチラインはこちら↓
見た目だけかっこつけた(コンプラ)/でもハートはチキン/名古屋コーチン
本当にうまいとしか言いようがないのですが、まず呂布カルマは名古屋を拠点に活動しています。つまり名古屋コーチンとは彼と親和性のあるワードで、それを使って相手をディスっていくあたりは本当に上手ですよね。
しかも呂布カルマとは特殊なラッパーで、サングラスをかけて目が見えないという設定で、ラップをしているんです。それがまたカッコよかったりもしますが、「見た目だけかっこつけた」というラインも「無理して設定しちゃってるんですよね?」と小ばかにしつつ正論を突くスキルを感じました。
結果的にあの最強の呂布カルマが「もうだめだ、こいつは強い」と勝負を投げ出します。強者と強者の戦いだからこそ起きたドラマであって、R指定の圧倒的な強さを証明したバトルだったとおもいます。
R指定のフリースタイルには今後も要注目!
以上が、R指定のフリースタイルダンジョンにおける個人的パンチラインになります。もちろん他にもたくさんあって語り切れはしないのですが(笑)、クリーピーナッツとして有名になった彼の、バトルでの一面を知ってもらうには十分だと思っています。
今後もR指定の活躍からは目が離せませんので、ぜひ彼のフリースタイルダンジョンでの活躍を見逃さないようにしましょうー!