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Awichのアルバム孔雀がヤバい |特におすすめの3曲をレビューしてみた

パーティールーム内の灰色のマイク

2020年1月11日に、ラッパーであり起業家であり母であるAwich(エーウィッチ)のアルバム「孔雀(くじゃく)」が発売されたのは記憶に新しいですよね!

多くの方が発売と同時に手に取り、一時はitunesの総合ランキングで1位を獲得するほどでした。シーンの枠を飛び越えていかに注目されているかが分かります…!

ヘッズ歴10年をこえる私もAwichのアルバム孔雀を購入し、今でも聞き込んでいますが、めちゃめちゃ素晴らしい作品だなと感じています。もう、ずっと聴ける(笑)

なのでこの記事では、Awichのアルバム孔雀がいかにヤバいかをお伝えできればと思います!

Awichのアルバム孔雀はここがヤバい①洗脳

アルバム序盤にはいった「洗脳feat.DOGMA&鎮座DOPENESS」がまずインパクト大です…!ヘッズならお分かりかと思いますが、このメンツが揃うってありえるんですか?(笑)

Awich本人も何かのインタビューで語っていましたが、「衝撃のメンバーだけど実現できた」らしいです。

曲も昭和のノスタルジーを感じさせるというか、初めて聞いた時に「この劇画タッチのようなサウンドはなんなんだ…!」思ったんですよね。大日本帝国のような雰囲気というか、タイトルどおりに社会性を伝えるMVも見ごたえしかなくて、映画化してほしいくらいの出来に仕上がっています。

なかでも『毒を持つ蛇を好む孔雀』というラインがまさにAwichという感じで、すいもあまいも経験してきた彼女だからはけるリリックなのかもしれません。生き様が表現につながるヒップホップならではですよね。

客演のDOGMAのシリアスなリリックとクセになる声質も健在ですし、『マウンティングというマーケティングビジネス』が個人的パンチラインでした。鎮さんは相変わらずのフロー巧者すぎて、どんなビートでも聞き心地がよすぎる仕上がりです。

とかく必聴の1曲なのは間違いありません!

Awichのアルバム孔雀はここがヤバい②DEIGO

ぶっちゃけるとこのアルバムから3曲を選ぶことはかなり難しいのですが、それでも19曲目の「DEIGO feat.OZworld」にはかなり喰らいましたね…!とくにHOOKの迫力がすごい!

盛り上がりを高めるサウンドに合わせてAwichの歌声が何重にもかさなって、ぞわぞわと鳥肌が立ってしまいました。『いつか逃れ逃れ辿り着くから/荒れ狂う風に身を任せてFly』というリリックには、何が合っても目的を果たすんだという確固たる意志を感じますよね。私個人的にもなにかをはじめるタイミングですこし不安になることがありますが、この曲のHOOKを聞いたら強く一歩を踏み出せそうな気がします。

ちなみにDEIGOとは沖縄に咲く「梯梧(でいご)の花」をさしますが、これは初夏を告げる花なんですね。3月~5月にかけて真っ赤なキレイなはなを咲かせるデイゴは沖縄の人にとって、はじまりの花なのかもしれません。デイゴの花がきれいに咲けば咲くほど、台風の当たり年になるらしく、そういう意味でも『荒れ狂う風に身を任せてFly』なのかもしれません。

また、実はこの曲は同じ沖縄出身のラッパー、唾奇とのツーマンツアーで共演した曲でした。ところがアルバムではOZworldを客演に招いての発表だったので、困惑したヘッズもいるかもしれませんね。

それに関してはアルバム18番目の「Interlude4」を聞けば分かります(笑)沖縄の自由な風土が生んだキャスティングにも注目です!

Awichのアルバム孔雀はここがヤバい③Arigato

ここまで紹介した洗脳ではシリアスな面を、DEIGOでは確固たる意志と強さを感じました。しかしアルバムの最後に収録されている「Arigato」ではラッパーというよりはシンガーとしての一面を存分に発揮していて、一体いくつの顔を持っているのよ?と驚いてしまったのです。きっと、同じように感じてAwichの底知れないポテンシャルを垣間見たヘッズも多いでしょう…!

疾走感のあるトラックでもあるのですが、女性ならではのしなやかさと美しさもあるなかでマザー的な抱擁感もあわさっているという…!もう表現の幅が広すぎてヤバイいんですよね、本当に(笑)

『走り、走り、走り、走りぬいてLook at me ここに立つよ今』というリリックにも、曇り空を抜けた先に自分の居場所があるんだというメッセージを感じとることもできます。1枚のアルバムでここまで変化できるのは本当にすごいと思いますし、多くの場面を聞き手としても想像させられるので、共感する部分が多いんですよね。

曲の最後は「ありがとう」とつぶやいて終わるのですが、駆け抜けたあとの吐息が妙にリアルで、全20曲のアルバムに熱中して聞けるためにあっという間だったことに気付かされます。例えば落ち込むことがあったときなんかには特に、聞いてほしい1曲です!

Awichのアルバム孔雀は何十年と聴ける1枚

2020年の1月に発売されたこのアルバムですが、今後も何十年と聴ける1枚になっていると感じます。なんといっても全20曲のなかで全て違う顔を魅せることのできるAwichのポテンシャルは驚きですよね。

彼女は沖縄で生まれて、アメリカにビジネスを学ぶために留学した経験があります。そのときにマーケティングの博士号を取得していたりもするので、ビジネスマンとしても超優秀なんですよね…!ゆえに「飽きさせない」聞き手の心理をうまくついた曲構成になっているのかもしれません。

私はこれからもAwichのアルバム「孔雀」を聞き続けますし、ヘッズのみなさんも同じように感じていることでしょう。

正直にいって紹介した3曲が聴けるだけでもアルバムを買う価値は十分にあるのですが、やはり全体で聞き込んでこそ楽しみは倍増しますので、永久保存版として手に入れておきましょう!