2015年2月7日に、映画「はじまりのうた」が日本で公開されました。現在はAmazonプライムでも視聴ができるので、最近になって見た人は多く、話題になっていますよね。
そんなはじまりのうたのキャストは、パイレーツオブカリビアンでもおなじみのキーラナイトレイと、ハルクでおなじみのマークラファロ。2人が主役となって、音楽で生きる人生を描きます。
私も毎月10本は映画を観るほど好きなのですが、久しぶりに「ああ、もう一度観たい」と思えるストーリーだったんですよね…!
最初は小さな映画館ではじまったみたいですが、じわじわと口コミで広まって興行収入もかなりのものになったそうです。確かに「じっくり魅力に気付いていく」映画だと感じました。
なのでこの記事では、これまで何百本と映画を観てきた私が、はじまりのうたの何がイイのか?をレビューしていきますね!
映画「はじまりのうた」レビュー①音楽の原点を知る
題名が「はじまりのうた」というだけあって、音楽の原点を知れる作品なんですよね…!
というのも、今は日常生活のなかで当たり前に音楽が溢れています。テレビをみていても、電車に乗っていても、買い物にでかけても、あらゆる場所で音楽を聴きます。ふだんから近い場所にあるので、改めて音楽に感謝することってないじゃないですか?
でも本来は音楽ってありがたいものなんですよね。
悲しいときに共感してくれたり、がんばる自分を勇気づけてくれたり、つまらない毎日にも音楽があれば楽しくなるさ!という前向きなパワーをくれるものです。誰しも思い出の一曲があるのは、思い出とリンクしているからですよね。
作中でも音楽の素晴らしさは語られていて、主役の一人であるマークラファロのこんなセリフがありました。
「すべての平凡なものが、美しさを持つんだ。ピカピカの真珠になるんだ。音楽によって」
…うん、200%共感しました(笑)
とくにマークラファロが演じる音楽プロデューサー・ダンは、誰よりも音楽の力を信じていました。自身の仕事がうまくいかなくて、家族とも距離をとるような生活になって自分を責めても、音楽に救われているんですよね。
その証拠に、キーラナイトレイ演じるシンガーソングライターのグレタとも、音楽があったおかげで出会っています。
グレタは恋人と別れた失意の中にいました。偶然、同じく仕事も家庭もうまくいかず失意のなかにいるダンと出会います。2人は意気投合し、新しい音楽をつくることで毎日にハリを取り戻したのです。
絵にかいたようなサクセスストーリーですが勇気をもらいますし、音楽の可能性をあらためて感じる作品なんですよね。
また、二人がつくる作品も「街中で奏でる」という、音楽の原点を思い出させてくれるものでした。『楽しいときにもツライ時にも音楽はそばにいてくれる』なんてメッセージを感じて、無性にサントラが欲しくなったのは私だけではないと思います(笑)
映画「はじまりのうた」レビュー②惹かれ合う二人
プロデューサーのダンとシンガーソングライターのブレタ。2人が惹かれ合う姿にも感情移入できるので、そういう面も楽しめる作品だと思います。じれったい場面もたくさんあるので、完全に作品にひきこまれるんですよね(笑)
例えば仕事で、一緒にプロジェクトをすすめるなかで、男女であったら惹かれ合うこともあるじゃないですか。それこそ職場恋愛のような。
ダンとブレタもまさにそういう関係になっていきます。とはいえダンも奥さんと娘さんがいるし、ブレタにも別れたけど心にいる恋人がいました。だから大きな進展はないのですが、ともに音楽をつくりあげていく過程で惹かれ合う姿が分かるんですよね。
確かにあれだけ真剣に芸術をつくろうとしていたら、お互いの魅力に気付くことも多いんだろうなあ…!なんてことを思いながら見入ってしまった私です(笑)
お付き合いをしたり手を握り合ったりといった、いわゆる恋人的な演出はギリギリありません。でも、ひとつのヘッドフォンを使い2人でプレイリストを聴くシーンは恋人そのものですし、お似合いなんですよね。この距離感が絶妙で、イイんです。
ちなみに、ダンとブレタがお互いのプレイリストを聴くシーンで流れた曲はこちら↓
フランクシナトラ[ Luck be a Lady ]
スティービーワンダー[ for once in my life ]
ドゥーリー・ウィルソン[ As Time Goes By ]
どれも名曲すぎて、往年の音楽ファンにはたまらない選曲だったと思います…!特にドーリーウィルソンは心地よすぎてまいりました…!
映画「はじまりのうた」レビュー③素晴らしい友人
主役がいればわき役がいるように、素晴らしい映画はそれぞれの役割分担によってつくられていますよね。どちらがエライってこともないし、作品における重要なキャストであることにかわりはありません。
作中で失意の中のグレタを支えたのは、ジェームズコーデンが演じた友人役の「スティーブ」でした。ファンの間では『三度の飯よりスティーブ』『持つべきものはスティーブ』とかなりの高評価をえていましたよね。
個人的にも、こういう「いつも話をきいてくれる一緒にいて心地が良い友人役」でジェームズコーデンに勝てる人っていないと思います(笑)
実は作中でグレタが失意モードにいる理由は、恋人の浮気なんですね。もともとは一緒に音楽をしていた彼が、大手事務所にスカウトされます。メジャー契約のような感じですかね。すると人付きあいも変わっていき、グレタと過ごす時間も減って、破局にむかうという。。
で、スティーブは二人にとっての友人でもあるので、グレタを支えつつも彼女の元恋人の活躍も見守るという、なんとも微妙な立ち位置なんです。それでも見事にその役を演じたジェームズコーデンを尊敬しますし、彼の軽快なトークと立ち振る舞いが、映画のなかでの安らぎポイントなのは間違いありません。
現実世界でも映画の中でも、素晴らしい友人は持つべきなのかもしれませんね!
はじまりのうたは何度でも見られる名作
以上が、映画はじまりのうたにおける個人的みどころでした!
音楽好きにはぜひ見てもらいたい映画なのは間違いないです。見終わったあとに、きっとおもいでの一曲を聴きたくなるでしょう。そのくらい、音楽の魅力を改めて教えてくれる映画です。
実際に私も、映画をみおわったあとはお気に入りのアルバムを久しぶりにきいて、歌詞カードを目で追いながら懐かしい気持ちになりました。
忙しい現代人は「今日も同じ毎日か…」と感じることもあります。そんなときは音楽を聴いてみてください。
映画のなかでダンが言うように『すべての平凡なものが、美しさを持つんだ。ピカピカの真珠になるんだ。音楽によって』だからです。
はじまりのうた、ぜひまた見たい映画です!